こうした雑草たちのように、多様なオプションを用意しておくのは、不確実な時代のビジネスにも、応用できるのではないか。

 たとえばそれを徹底していたのが、かつて携帯電話世界トップの座にあり、今はグローバル・デジタル通信インフラ市場で気を吐く「ノキア」だ。前会長のリスト・シラスマ氏が著した『NOKIA 復活の軌跡』(早川書房)によると、同氏は「パラノイア楽観主義」という考え方のもと、細かなシナリオをいくつも想定し、売却・買収などの取引に対応した。

 iPhoneやAndroidスマホに市場を奪われるという「大変化」に直面したノキアは、生き残るための多様なオプションを用意し、改革に臨んだのである。このしたたかさこそ「雑草魂」と呼ぶにふさわしいのかもしれない。

 世界的に見れば、まだまだ新型コロナウイルスの猛威は衰えていない。これからの世界はますます不確実性を増していくに違いない。その中で生き残るために、本書で雑草たちのさまざまな戦略を学んでみてほしい。

(情報工場チーフ・エディター 吉川清史)

情報工場
「雑草」の生き方にみる、ビジネスで弱者がしたたかに生き残る戦略
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