ルールを「決める人」と「守る人」
組織を運営する上で、必ずルールが必要になります。
それを現場レベルで決めるのが、リーダーの役割です。
ただ、ルールを守るとき、もしくは守らせるとき、そこに個人的な感情を加えてしまうと問題が起こります。
「あの人は目標を達成しているから遅刻してもいい」
「出世したから、あいさつしなくてもいい」
「あいつは気に食わないから厳しく注意してもいい」
「中途で入ってきた人だから、前の職場のやり方でもいい」
このように例外をつくってしまうと、チームや組織は、非常に脆くなります。
「急いでいるから赤信号でも走っていいと思ったんです」
そんな車を1台でも許してしまうと、道路は一気に混乱します。
会社も同じです。
「あの人は許されているのに、なぜ自分はダメなのか」と言い出す人が現れると、組織はぐちゃぐちゃになります。
そもそも、「上司」「部下」などの役割そのものが、ルールの産物です。
ルール上の関係なのですから、それを運営するのにルールが必要なのは当然のことです。
別に、上司のほうが人間的に偉いわけではありません。
会社というもの自体、1人の力では達成できないような社会への大きな目的を達成するための「機能」にすぎません。
ルール上の関係なのだから、ルールで運営するというのが正しいだけです。
そこに感情が入り込んでしまうと、「ルール上の関係」という意識が薄れてしまいます。
リーダーは、個人的な感情で動くのではなく、組織の人間として仮面をかぶり、ルールを守らせないといけないのです。
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモ、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)を経て、ジェイコム株式会社にて取締役営業副本部長を歴任。
2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。
2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。
人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2020年10月現在、約1900社の導入実績がある。
主な著書に『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)などがある。