ヘルステックベンチャーCureApp(キュア・アップ)のニコチン依存症治療用アプリケーションに公的保険の適用が認められた。保険適用となる治療用アプリは国内初。治療用アプリは医療経済上も“優等生”と期待され、当初「数百円が妥当」とも言われたが、付いた価格は2万5400円。それでもメーカーが希望した価格の半額以下だった。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

「歴史的快挙」とデジタルヘルス業界、
一方で市販アプリとの線引きに戸惑いの声も

キュア・アップのニコチン依存症治療用アプリケーションキュア・アップのニコチン依存症治療用アプリケーション

 ヘルステックベンチャーのCureApp(キュア・アップ)が申請をしていた国内初承認の治療用アプリケーションが11日、厚生労働相の諮問機関・中医協で保険適用の了承をされた。製品名は「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」。12月1日から禁煙外来を受け付ける一部医療機関で処方が始まり、キュア・アップは2021年度内に全国1000以上の医療機関へと処方の場を広げていく計画だ。

 治療用アプリを含むデジタルヘルス業界からは「保険適用決定は歴史的な快挙だ」と歓迎する声が多数あった。だが、“初物”故に中医協委員からは「市販の健康促進アプリと治療用アプリの線引きが難しい」「今後も続く治療用アプリの保険適用申請には厳しい目で審議が必要」など、戸惑いや慎重論が聞かれた。

 保険適用に至るまでには、キュア・アップにも誤算があったようだ。その誤算とは、医療機器における国の公定価格である「保険償還価格」だ。