まず、米GMとの連携強化は、FCV・EVや自動運転の共同開発に加えてかつてホンダの「ドル箱」だった北米事業の強化に生かすことであり、またこれまでの「ホンダ自前主義」からの脱皮であろう。

 続くホンダがF1参戦を2021年で「終了する」との発表は、世間や世界中のモーターレース関係者どころか、ホンダ内部にも衝撃を与えたようだ。これまでホンダはF1に参戦と撤退を繰り返し、現在は4期目となっている。今回は「過去の撤退」の例ではなく、今後も参戦をやめるというもの。つまり、本当の「卒業」を意味することになる。

 創業者本田宗一郎氏からのDNAともいえるF1参戦だが、年間数千億円とも言われる運営費用は重荷であり、今後のホンダが生きる道への開発投資に振り向ける決断に至ったということだ。

 その一方で、ホンダが国交省から自動運転レベル3の型式指定初認可を受け、今年度中に「レジェンド」に搭載・発売することになった。自動運転レベル3とは、一定条件下でシステム監視による自動運転が可能となるもので、ホンダが一番乗りを果たすことになる。これは、業界のチャレンジャーである「ホンダらしさ」復活へのうねりであろう。

 ホンダのこれら一連の新展開の動きは、ポスト八郷体制を促すものであり、主力の四輪事業の収益力を上げることで「ホンダの独創性」を取り戻すことにある。「100年に一度の大変革期」に生き残りをかけて、ホンダは来年から新体制に切り替わっていくための大整理を急いでいる。

ホンダは肝心な
四輪事業の収益性が低迷していた

 ホンダの最近の決算推移を見ると、四輪事業の収益低下が目立っていた。前期の2020年3月期連結決算で、事業別の売り上げ比率と利益率比率を見ると、売り上げ比率では四輪事業67.0%、二輪事業13.5%、金融サービス事業17.1%、ライフクリエーション事業2.3%と、やはり四輪事業が売り上げ全体の7割近くを占めている。

 これに対し、利益率比率では四輪事業24.2%、二輪事業45.1%、金融サービス34.7%、ライフクリエーション事業マイナス3.9%となっており、二輪事業がホンダの利益の半分近くを稼いでいる。つまり、四輪事業の収益悪化を二輪事業でカバーしているのだ。