PMFする前にメンバーの役割分担を
明確にしようとしてはいけない

 一般企業では、すでに、顕在化された市場において、できるだけ効率よく拡大再生産を図っていき、PLを改善するのが至上命題になる。高度な専門性を持つ人が役割分担し、バリューチェーンの一部となって効率的に連携していく。

 しかし、こうした最適化は、初期のスタートアップには必要ない(もっと言うと、PMF前は、顧客に対する独自の価値提案の実証ができていないので「最適化」を定義できない)。

 逆に言えば、PMFする前から「プロダクトを作るエンジニアは顧客と話をする必要はない」「自分はマーケティング担当なので、プロダクト側にはかかわらない」と役割分担を明確にしようとしてはいけない。

 実際、アメリカの「Startup Genome Report」2015年3月版では、スケール前の段階におけるスタートアップの平均人数を紹介している。

 これによると、成功したスタートアップがスケールする前の平均メンバー数は7.5人未満。その後、適切にスケールできた際に、一気に人数を増やしている。

 一方、失敗したスタートアップはスケール前のタイミングで20人近くに達している。スケールできる条件が整う前に資金調達し、無理に人を雇い入れて組織が大きくなっていたのだ。