社会人人生の初期に大幅な株価下落を2回経験したミレニアル世代。その多くは、ダウ工業株30種平均を3万ドルの大台に押し上げた株価上昇の恩恵を受けていない。新型コロナウイルスが流行する中での株価上昇は投資家に自信を与え、企業にはとっては資本調達のチャンスとなった。ただ市場が過去最悪の売りに見舞われたあとに過去最大級の反発を演じ、ダウ平均の振れ幅が3桁に及ぶなど、今回の株価上昇には大きな変動も伴っている。こうした動きを目の当たりにした多くの若い投資家は多くの資産を株に投資することに慎重だ。セントルイス連邦準備銀行によると、ミレニアル世代――一般的な定義では1981年から1996年の間に生まれた人を指し、「ジェネレーションY」と呼ばれることもある――で株式市場に投資している人は約半数で、ジェネレーションXが今のミレニアル世代と同じ年代だった頃とほとんど変わらない。違いは保有株式の価値がミレニアル世代のほうが3分の1近く低いことだ。