1月の志願者が減りそうな入試

 さて、ここからは2020年より志願者が減り、倍率が緩和しそうな入試を見てみよう。この中に「お得」な学校が含まれているに違いない。偏差値のみならず校風も勘案して志望校選びの参考にしていただきたい。

 例年全国最多といっていい受験者を集めるのが栄東(さいたま市見沼区)である。2021年入試では、受験生の密を避けるため、校庭を駐車場として開放、時差を設けて入試を始めることで最寄り駅からの通学路上での受験生の分散を図るといった方針を打ち出している。

 1月10日のメインとなる1回Aは▲20%強で、現時点の予想倍率は1.3倍程度とだいぶ緩和される。18日の2回もやはり▲20%強で予想倍率では2倍を割りそうである。東京方面から荒川を越えない傾向が影響を与えたといってよさそうだ。

 千葉で最大級の受験生を集めるのが、1月20日に行われる市川市にある市川(1回)だ。例年、幕張メッセが受験会場となることで知られているが、2021年入試は会場を1.5倍に拡大し、密を避ける。こちらは▲10%台半ばと見込まれ、予想倍率も2倍台半ばとなりそうだ。

 同じく千葉では、習志野市にある21日の東邦大学付属東邦(前期)が▲10%台半ば、22日の千葉市美浜区にある渋谷教育学園幕張(1回)が▲20%台半ばで予想倍率が3倍を割りそうで、いずれもだいぶ受けやすくなる。

 埼玉に戻って、11日の開智(先端特待)も▲20%台半ばで予想倍率は2倍台半ば、12日の大宮開成(特待)はほぼ3分の2で同2倍ほどに、14日の開智(2回)は▲30%で同1倍台半ばといった具合に、どこもかなり受けやすくなっている。

 志願者合計数が100人に満たない入試の中には、予想倍率が1倍割れも散見される。ざっと挙げておくと、いずれも10日の狭山市にある西武文理(1回)、春日部市の春日部共栄(1回午前)、埼玉栄(1進学)、1倍ちょうどの予想が浦和実業(1回AM特待)といった具合で、気になるようなら受けてみる価値はありそうだ。

 千葉では、20日午後の渋谷教育学園幕張と隣接する昭和学院秀英(午後特別)が前年比ほぼ3分の2で倍率予想は5倍台半ばに緩和、25日の麗澤(2回)は▲20%弱、26日の専修大学松戸(2回)も▲20%弱で予想倍率3倍台半ばとなっている。

 千葉でも志願者数合計が100人に満たない入試にも触れておきたい。前年比ほぼ3分の2となるのが、20日の東海大学付属浦安(A)と日出学園(I期)で、東海大浦安は1倍割れ予想となっている。

 25日の市川市にある昭和学院(アドバンストチャレンジ)は▲10%、成田高校付属(一般)は▲20%台半ばで、いずれも予想倍率は1倍台半ばとなっている。

>>後編(2月入試)に続く

【訂正】記事初出時より以下の点を訂正いたしました。
・3ページ目4行目:埼玉栄(さいたま市西区)→栄東(さいたま市見沼区)
(2020年12月1日13:45 ダイヤモンド社教育情報)
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