注目点は適性検査の日程

 立川国際の前年に開校した東京学芸大学附属国際中等教育学校(練馬区)は、付属の大泉小学校と共に、新しくできる都立の小中高一貫校にとって最大のライバル校といえる。こちらはMYP(Middle Years Program)とDPの認定を受けており、日本におけるIBの総本山的な存在である。

 附属の大泉小学校から全員が連絡進学していないので一律に比較はできないが、 “国際”という言葉に魅力を感じる保護者にとっては選択肢が増えることになる。また、立地的には同じ東京学芸大学附属の小金井小学校もお受験での競合校となるだろう。

 都が設定している通学区域は、学校からおおむね40分の範囲内に鉄道の駅やバス停がある区市町という条件で、奥多摩町と檜原村を除く多摩地区の市と町に加えて、新宿、渋谷、中野、杉並、練馬、世田谷という6つの区が該当する。このエリア内在住の志願者の扱いは平等だ。

 保護者としては、小学生、特に低学年のうちに通学できるかを考える必要がある。本校前のバス停まで立川駅北口から12分かかる。そのことも折り込んで検討したい。もっとも、学芸大附属大泉小学校のように厳密に40分以内という制約はないだけに、判断は保護者に委ねられている。

 入学者の決定方法は国立附属小学校と同様の仕組みをとる。志願者が一定数を超えた場合には第1次の抽選が行われ、第2次の適性検査は1日目の筆記と2日目の集団活動などを課される。適性検査を通過した志願者が募集人員を超えた場合には再び抽選により入学者を決定することになる。

 国立の附属小でも、文京区にある学校は倍率が50倍を超えるなど志願者が殺到するため第1次抽選は必須だが、同じ学芸大附属でも小金井小学校などは10倍前後のためか、抽選なしで適性検査に進んでいるようだ。

 保護者にとっては、2021年春に発表される適性検査の実施日が学芸大附属の小学校と同じ日になるのかどうかが最大の注目点となりそうだ。また、現在未定である募集人員のうち何割が海外帰国児童や在京外国人児童に割り当てられるかも気になるところだろう。

 ところで、多摩地区には21の私立小学校がある。多くは付属の中高があり、中には大学まで接続している学校もある。武蔵野市には武蔵野東、成蹊、聖徳学園、三鷹市には明星学園、国分寺市には早稲田実業学校、国立市には国立学園、国立音楽大学附属、桐朋、調布市には晃華学園と桐朋女子、府中市にはむさしの学園と明星、多摩市には帝京大学、小平市にはサレジオと東京創価、東久留米市には自由学園、清瀬市には東星学園、昭島市には啓明学園、あきる野市には菅生学園、そして町田市には玉川学園と和光鶴川がある。

 この中で、帰国生や外国籍の生徒が多い点では啓明学園が、IB認定校では玉川学園なども併願対象となるのかもしれない。

【訂正】記事初出時より以下の点を訂正いたしました。
・1ページ目 本文6行目:コロナ渦等の影響で→コロナ禍等の影響で
(2020年12月9日13:40 ダイヤモンド社教育情報)