全部さらけ出していくこと
佐渡島:僕も決してできた人間ではなくて、大企業でもないコルクの可能性を信じて「一緒にやりたい」と思ってくれている人を尊重したいという気持ちが強いんです。
僕の挑戦に対して共感してくれる時点で仲間だと思える。いろいろと理想は語っても、実際には全然できてないことだらけなので、ちゃんと批判もしてもらえるような機会もつくっているんです。
例えば、新人漫画家との打ち合わせは、zoomで開催して外部の人も誰でも見られるようにしていて。全部さらけ出しています。
川原:すごい。素っ裸じゃないですか。
佐渡島:「佐渡島、言ってることとやってること違うじゃん」と突っ込まれる場を率先してつくる。自分を公開処刑しながらやっています(笑)。
川原:それを楽しめる才能を尊敬します。そこまでやらなくても十分にやっていけるはずなのに、あえて自分を追い詰めて世間にさらしてキャッキャッと遊んでいる。佐渡島さんが自ら傷を負う現場を見せてくれるありがたさを、たくさんの人が感じているはずです。
佐渡島:バカにされてなんぼだと、最近思うようになってきました。「すごい」と評価されるより、「あれ?」と首を傾げられる活動を積極的に選んでいます。そういえば、僕と川原さん、ポートレートのふざけたポーズがお揃いでしたね。
川原:あれはアメリカの有名雑誌の巻頭インタビューを夫婦で受けたとき、超一流のカメラマンが撮ってくれた写真なんです。真面目なポーズもたくさん撮ったはずなのに、「卓巳、ちょっとふざけた顔もやってみて」と言って撮ったオフショットが雑誌に採用された(笑)。そのキャラが定着しちゃったというのが実話です。
佐渡島:でも、気取ったポーズよりもはるかに川原さんらしい。その編集者は優秀だと思いますよ。よくできたプロデュースと言えますよ。
川原:これも「Be Yourself」の一例かもしれないですね(笑)。今日は有意義な対話をありがとうございました。
佐渡島:こちらこそ。またお会いできる日を楽しみにしています。