冷房と暖房の両方をかけるようなこと(7月13日、ぶら下がり会見にて)

 7月11日、菅義偉官房長官(当時)が新型コロナウイルス感染拡大を巡って、「この問題は圧倒的に『東京問題』と言っても過言ではないほど、東京中心の問題になっている」と北海道で発言。都内で感染拡大が続いていたことを念頭に、小池知事や都のコロナ対応を批判した。これを受けて小池知事は、都庁入り口でのぶら下がり会見で、菅氏肝いりのGo Toトラベルをやり玉に挙げ、こう揶揄(やゆ)した。

 新型コロナは飛沫感染と接触感染で広がるため、旅行代金を補助するGo Toトラベルは感染拡大につながるとの指摘に対し、政府は「エビデンスはない」と反論。しかし、医師や専門家が因果関係を強く指摘し、そのことは多くの国民に共有された。小池氏の表現はまさにこうした見方に沿ったもので、当意即妙な表現も実に分かりやすい。

 菅氏がこれに腹を立てたからかどうかは不明ながら、同月22日から始まったGo Toトラベルの対象から都内だけが除外され、開始は10月にずれ込んだ。

 都内だけが急遽外されたことで、消費者がキャンセル料の支払いを求めて旅行会社が混乱。小池知事は7月20日、「政府が行っておられることなので詳しくは聞いていないが、現場が混乱している声はたくさん聞いている。できるだけ早く設計図を示していただきたい」と政府を突き放していた。