経済学者や経営学者、エコノミスト111人が選んだ2020年の「ベスト経済書」をランキング形式でお届けする『ベスト経済書2020』(全5回)。厳選した良書を、選者による解説付きでお届けする。コロナ禍に翻弄された2020年のランキングの顔ぶれは、エビデンス(科学的根拠)に基づく事実を提示する本が目立ったここ数年の傾向とは違うものになった。基本を改めて捉えなおす本が上位に入った。加えて、主要な先進国で進む格差拡大など曲がり角にある資本主義のあり方を捉えた本もランクインした。第1回では、36位までの結果を一挙公開する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
データ分析による実証から基本への回帰
“教科書”とも言える書がトップ2
データ分析によるエビデンスに基づく因果関係の実証から基本への回帰。
2020年のベスト経済書の上位の顔ぶれを見ると、ここ数年と傾向が変化したことが見て取れる。
EBPM(エビデンスに基づく政策立案)が重要視されるなか、昨年までは、データに基づいてこれまでの通説を検証する趣旨の本が数多く上位に顔を出していた。
それに対して、今年は、1位、2位と教科書ともいえる書がランクインした。3位以下の書も含めて顔ぶれを見ていこう。