米連邦準備制度理事会(FRB)は18日、年次ストレステスト(健全性審査)結果を公表し、大手銀行は新型コロナウイルス危機による厳しい景気悪化にも引き続き耐えられるとの見解を示した。ただ、不況が長引けば、貸し倒れで巨額の損失を抱えることになると警鐘を鳴らした。FRBは来年1-3月期から自社株買いの再開を認めるとしたが、少なくとも1-3月期(第1四半期)は額を制限するよう指示し、過去1年の利益を上回る額を株主に還元することはできないとした。配当についても引き続き制限する。配当・自社株買いの合計額は直近4四半期の平均四半期利益を超えることはできないとしている。FRBは今回のストレステストを拡大し、コロナ禍による影響も審査した。失業率が高止まりし、経済が数四半期にわたり回復しないとの想定シナリオの下では、米銀大手33行の不良債権が最大6000億ドル(約62兆円)に上る可能性があることが示された。