なぜ「聴く耳」をもつ人の企画書が通りやすいのか

 自分の意見や提案に説得力をもたせようと思う際に、まず考えなければならないのは、「誰にとっての“なるほど”なのか」ということだ。自分自身が「なるほど」と思ったところで意味はない。それでは自己陶酔にすぎない。

 大事なのは、決定権をもつ上司にとっての「なるほど」であり、決定権をもつ取引先担当者にとっての「なるほど」である。そこで「聴く耳」が威力を発揮する。

 形の上では相手の言うことを聞いていても、どこか上の空だったり、適当にあいづちを打ちながら聞いているだけだったりすると、先方が何を求めているのか、優先順位はどうなっているのかをつかみ損ねる。それに対して、相手の言うことに真剣に耳を傾けている人は、先方が何を考え、何を求めているのか、優先順位はどうなっているのかを、言葉の端々から聴き取ることができる。

「聴く耳」をもつ人は、上司の言うことにしっかり耳を傾け、言葉に込められた思いまで聴き取ろうといった心構えがあるため、上司がどんなことにこだわっているか、どんなことを気にしているかをつかむことができる。

「聴く耳」をもつ人は、取引先の担当者の言うことをきちんと受け止めつつ聴く姿勢があるため、取引先の要求やこだわり、優先順位の見当をつけることができる。

 このように、「聴く耳」をもつ人は、決定権のある人物が求めているもの、気にかけていることを踏まえて企画書を作成したり提案したりできる。だから、その企画書や提案には説得力があり、通りやすいのも当然と言える。

 言い換えれば、企画や提案を求めている人物の要求にマッチしたものでないと説得力がない。ゆえに「聴く耳」が重要な鍵を握るわけである。