“正常性バイアス”の政府、間違えるは当然
PCR「目詰まり」も安倍政権の政策の結果

――Go Toトラベルについては11月に入ってから、日本医師会や政府の新型コロナウイルス対策分科会が慎重な考えや見直しを求める意見を表明していましたが、政府はすぐには聞き入れませんでした。

 専門家の意見を聞く際は、その中の最悪のケースをベースにして常に考えを組み立てる必要があります。しかし政府は、安倍政権の頃からですが、最も楽観的な意見をベースにしていました。

 これは「正常性バイアス」(異常事態が起きても正常な出来事だと捉えて、心を平静に保とうとすること)と呼ばれるものです。正常性バイアスで危機管理をやってはいけないと、私は春の感染拡大期の予算審議でも訴えました。これは東日本大震災への対応を経験した者として、当時は“お願い”として申し上げましたが、これでは間違えるのは当たり前です。

枝野幸男Photo by T.U.

――PCR検査については、安倍晋三前首相も拡充を訴えましたが、5月の段階で検査が進まないことを「目詰まり」と表現していました。

「目詰まり」の原因は、はっきりしています。7年8カ月の安倍政権の下で、医療を充実させることを怠り、「行政改革」の名の下に保健所の数を縮小してきました。だから、厚生労働省や保健所を通じたルートでは十分な検査ができない。したくてもマンパワーが足りずにできなかったということです。

――菅首相も12月14日、Go Toトラベルの全国一時停止とともに、新型コロナに対応するため派遣される医師に1時間で約1万5000円、看護師は5500円を補助すると表明しました。

 今のところ出てきている支援は、新たに派遣される医師や看護師が対象です。現場では2~3月から、自分自身が感染する不安や強いプレッシャーの中で長く働いている人が多くいます。そうした人々の収入は減少したりしているのに、国からの補助は(新型コロナ緊急包括支援交付金で)2月頃から現場にいる人に20万円しか出ていない。5月頃からの人にはゼロです。早い段階から現場にいる人にさらに20万円を積み増してもいいし、今コロナ対応に従事している人にも一斉に20万円を出すべきです。

 そして、マンパワーをコロナ対応に奪われて苦しんでいる、コロナに従事していない医療従事者にも慰労金をすぐに支払うべきです。