テレワークが続くと、業務でわからないことや悩み事などがあっても周囲に気軽に聞くことができない。こうした状態が放置されれば、モチベーションの低下につながり、場合によっては退職してしまいかねない。今回はリモート・マネジメントにおけるミーティングで気を付けるべきことについて解説する。(メンタルチャージISC研究所代表取締役 岡本文宏)
テレワークにおいて
対話が重要な理由
以前のように皆が同じ職場に出社して、机を並べて仕事をしていれば、業務の合間の雑談で、ちょっとした悩みや問題について、上司や先輩に質問、相談することは、それほどハードルが高いことではありません。
一方、テレワークの場合、コミュニケーションの多くはテレビ電話システムやチャットで行うので、どうしても用件のみの伝達になりがちです。そうなると、悩みや問題を気軽に相談できないので、ストレスを抱えてしまいます。
それが続くと、仕事に対する意欲低下にもつながります。そのような状況になっていたとしても、部下からSOSを出すケースは稀です。そのまま上司が部下の状況に気付けずに放置していると退職してしまうケースもあるので要注意です。
テレワークをしている部下は、孤独感、寂しさ、不安などネガティブな感情を抱きやすくなります。1人で悩み、ストレスを抱え込まないために必要なのが、定期的に上司と対話する機会を持つことです。
ここで、あえて会話ではなく「対話」という言葉を使ったのには理由があります。会話とは複数の人で行う日常のコミュニケーション全般のことを指し、何気なくする雑談も含まれます。一方、対話とは、1対1で心も体もお互いに相手に向き合い、目的をもって交わすコミュニケーションのことです。そして、上司と部下がテレワークで行うべきは対話、具体的に言えば個別ミーティングであるべきなのです。