コンセッション会社の支援は
契約期間の延長などで対応すべき

 では、国はコンセッション会社にどのように支援をしていくべきであろうか?

 国や自治体管理空港は、公的なインフラとして位置付けられ、安定性・持続性を担保することは求められるため、政府の直接的な資金援助が得られる。その一方、コンセッション会社は直接的な資金援助は得られない。不公平のようにも思える。とはいえ、そもそも、これは、コンセッション導入時のリスク配分に関する契約でそのように決められているわけであり、厳守するべきである。

 では、政府は空港が経営危機に陥っているのをそのまま放っておけるだろうか。空港は、公共性の強い空港インフラであり、政府には、空港の安定性・持続性を担保することが求められる。政府に求められることは、コンセッション契約のフレームワークの下で、間接的なサポートを行うことであろう。

 今回の新型コロナウイルスによる影響は、未来永劫(えいごう)続くものではなく、コンセッション契約で想定される長期の視野で見れば、吸収できないショックではないとも考えられる。想定していた契約期間内で収益を上げることは難しいとしても、契約期間の延長ができれば、契約期間内に生じる一つのショックとしてある程度は想定内としてみなすことができるかもしれない。

 したがって、国はコロナが収束するまでの間、直接的な資金援助ではなく、契約期間の延長など、契約上の履行義務に対しての柔軟な対応をとり、支援を行うことが望ましいであろう。実際、12月21日に改訂されたパッケージでは、契約期間の延長が認められた。

 このたびの危機は、コンセッションのメリットを下げるものではなく、コンセッションがさらに進化して意味のあるものになるための良い経験とみなすべきであろう。

 今後のコンセッション契約では、この経験を生かした、より価値のある契約が締結されると思われる。実際、新型コロナウイルスが発症後にも、広島空港においてコンセッション契約の議論が進んでいる。空港は、この危機を踏まえても、収益的価値の高い投資対象であることには変わりはないのである。

あかいのぶお/1968年大阪府生まれ。1998年大阪大学博士(経済学)学位取得 。神戸商科大学経済研究所助教授などを経て、2011年より大阪大学大学院国際公共政策研究科教授。専門は公共経済学、財政学、公共経営・組織論。