ボランティアスタッフの方によると、「副菜の一番人気は肉」ということだった。筆者もご好意で1食を頂戴したのだが、野菜料理がいずれも滋味あふれる味で感嘆した。鶏手羽先揚げも入っていたのだが、美味だったこと以外は印象に残っていない。

 肉の副菜に人気が集まったのは、比較的若い人々が多く来訪したことと関係していそうだ。「今回は若い人が目立つ」という声は、会場のあちこちでボランティアスタッフから異口同音にあがった。

10倍以上に増大している
「大人食堂」ニーズの実態

コロナの年末年始、「大人食堂」「フミダン」支援で命を繋いだ困窮者の実態副菜の一番人気は肉 Photo by Yoshiko Miwa

 相談の集計を担当した渡辺寛人さん(NPO法人POSSE事務局長)によると、3日間の相談会と大人食堂で提供された食事は、合計で約950食に達したという。「年越し大人食堂」は、2020年初めにも開催されているが、このときは2日間での延べ来場者は約100人だった。2020年初めから2021年初めにかけて、規模は約10倍に増大している。おそらく背後にある支援ニーズは、それ以上に増大しているのであろう。

 会場では、弁護士・医師・社会福祉士など多様な人々が、どのような相談にも対応できるように待機していた。また外国人のために、通訳も待機していた。3日間での相談件数は、約150名に達した。

「特に3日は、相談件数が74件に達し、このうち半数が20代〜40代の若い世代からの相談でした。また31名が外国人で、深刻な医療・生活相談が多くありました」(渡辺さん)

 外国人で就労ビザが失効している場合は、働くこともできない。生活保護の利用資格もない。出身国の空港が閉鎖されていると、帰国もできない。福祉や医療のあらゆる救済の網の目から取りこぼされてしまっていることは、困難をさらに悪化させる。不法滞在の外国人に対して厳しい対応を取り続けてきたトランプ政権下の米国でさえ、新型コロナの感染拡大に際して、処罰しないことを約束した上で検査や治療を無料で提供した自治体が少なくない。