コロナ病床の拡大はすでに限界に直面
「これ以上増えたら…」不安隠さぬ都幹部

 新規感染者の増加に伴って、医療体制は危機的な状況に陥っている。小池知事は1月7日の臨時記者会見で、従来3500床だった都内のコロナ専用病床を4000床に増やしたと発表した。そのうち、都立病院と都保険医療公社が運営する病院の専用病床は1100床だ。今後はこれを1700床に増やすという。

 ただし、新たな600床の増床が、必ずしも医療キャパシティーの“純増”になるとはいえない。それは新型コロナと無関係の診察や治療を中止し、医師やスタッフを振り替えることを意味するからだ。そのため、新型コロナ以外の病気やけがで本来なら救えるはずの命を、救えなくなる可能性が高まる。すでに入院している患者の転院なども必要で、1700床が達成できる時期は未定だ。

 新型コロナ患者の治療を受け入れることができる病院は、十分な設備やスタッフがいる病院に限られるが、「大学病院など都内の主だった病院は、すでにコロナ患者を受け入れている」(都幹部)。多摩地域など都心より病院が少ない地域の中規模病院は、地元の救急医療を担うため受け入れは難しい。

 つまり、都内の新型コロナ専用病床の準備はすでに限界に達しているということだ。前出の幹部は「これ以上、感染者が増える状況は想像がつかない。未知の領域だ」と不安を隠さない。従来、「65歳以上は原則入院」としていたルールを、「70歳未満で基礎疾患がなく認知機能に問題がない場合は宿泊療養」というルールに昨年末に切り替えてなお、この状態なのだ。

 小池知事はこうした深刻な実態について、データを公表してより詳しく説明すべきではないか。政局やパフォーマンスが色濃く反映された言動に終始する限り、都民の行動変容は難しいだろう。