1日3回のミーティングと気分転換のための雑談

 5~15人による「チーム制」は、個人個人にノルマを背負わせず、チーム全員での仕事の完遂を目標にしている。障がいのある人は生活リズム(通院や生活介助の利用時間)がそれぞれ異なることもあり、ひとつの仕事をお互いがカバーし合う“チームワーク”はありがたい方法だろう。

障がい者の入社式が教えてくれた「テレワーク」に欠かせないことテレワーク(在宅就労)でも、仲間たちと連携し、助け合う働き方ができている 写真提供:株式会社スタッフサービス・ホールディングス

 入社式・第2部のエリア別オリエンテーションにおいても、「チームビルディング」というプログラムが用意され、新入社員間の意思の疎通が積極的に図られていった。「いまの気持ちは?」「私のことをもっと知ってほしい」「仲間に意気込みとエールを!」というテーマに対し、一人ひとりがしっかり答えていき、最初は緊張していた表情が次第に和らいでいく様子が画面からも見て取れた。

「私は野球観戦が趣味です」「どの球団が好きですか?」「チームは□□で、○○選手のレプリカユニホームを持っています」「それ、僕も持っています!」といった会話が新入社員同士で交わされ、リアルに会ったことがないとは思えないほどの盛り上がりが新チームを生成していく。

 また、プログラムのひとつである「先輩社員からの応援メッセージ」では、SSCWが重視している「1日3回のミーティング」と「仲間との関係性の構築のための雑談」の価値がうかがい知れた。先輩社員同士の会話には、リアルな空間で職場を共にしているような親密さと情報の共有があり、「仕事で困ったときは、必ず助けてくれる仲間がいる」という社員の声が誇らしげに聞こえた。

「2016年1月に初めて入社者を迎えて以来、入社者を集めて行うオリエンテーションを毎回欠かさず続けています。重い障害がある方にとって、働けることがいかに貴重で大切なことなのかを、入社者や先輩社員のコメントや表情を見ていて、いつも強く感じます。そして、人と関わりをもって働くことは、体調管理などの負担もありますが、収入以外にも、人から頼られ、感謝されるなど多くのことが得られ、生活を豊かにするものだと痛感しています」(岡崎ゼネラルマネージャー)