「杓子定規な対応をしてしまうと、保護世帯の高齢者や障害者が無理に除雪しようとして死傷事故につながってしまうリスクもあります。残念ながら、この冬、除雪中に負傷した生活保護世帯の方がすでにいます。市民全体でも、除雪中の死傷者はすでに多数発生しています」(Kさん)

 今回の寒冷と大雪は、温暖な地域にも慣れない寒さや雪をもたらした。しかし、「毎年の豪雪に慣れている地域だから大丈夫」とは言えないようだ。

避けるべきは凍死か、餓死か
生活保護の「最低限度」の住がもたらす苦境

「積雪は少なく、それなりに寒いけれども、厳寒というほどではない」という地域は、どのような状況だろうか。、福島県中通り地域のシングルマザー・Mさんに訊ねてみた。複数の持病を抱えているMさんは、障害を持つ20代の子どもとともに暮らしている。数日前、2日連続で最低気温が氷点下8℃近くなり、「さすがに、しんどかったです」ということだ。

 Mさんが今、最も困っていることの1つは暖房費だ。住んでいるアパートには、入居前から2台のエアコンが設置されているのだが、1台は故障していて使えず、1台は効率の悪い場所に取り付けられている。6畳の1部屋に集中させて使っている暖房器具は、小さなセラミックファンヒーターとコタツだけだ。

「なかなか室温が上がらず、夜間は10℃まで上がればいい方です。電気代は、なるべく抑えるように心がけているのですが、12月は急に寒くなって1万円を超えました。1月は2万円を超えそうです」(Mさん)

 生活保護費には、冬の暖房費などに対する補助(冬季加算)がある。福島県の2人世帯なら月額1万590円、日中も屋内で過ごす患者や障害者や高齢者の場合は1.3倍の割増を受けられる場合がある。しかしその割増があったとしても、月額1万4000円程度にとどまる。健康に支障のなさそうな生活環境を整えることは難しそうだ。