産科施設での出産予約を調べたのが日本産科婦人科学会(日産婦)。20年10月から21年の3月までの出産予約数が大幅に減少していることが分かった。前年同期の19年10月から20年3月の出産実数と比べると、全国で31%も少ないという。

 日産婦は全国576の産科施設に対しアンケート調査を実施、390施設から回答を得た。

 調査では、東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、大阪の6都府県を「都市部」とし、それ以外の道府県を「地方部」として減少率を比較している。「都市部」では約24%の減少だったが、「地方部」は約37%にも上った。地方部の減少率が都市部を大きく上回った。これは、都市部の妊婦が実家に戻って出産するという日本独特の「里帰り出産」を控えた表れのようにみえる。

 最も減少率が大きかったのは大分県で、対象の3施設で63%減った。次いで長野県(8施設)の59%減、宮崎県(5施設)の57%減。調査対象は2021年の3月までに限定されているが、31%減の趨勢(すうせい)はその先も大きくは変わらないだろう。

 厚労省は「妊娠届出数」の推移を公表している(図表1)。妊娠届は、母子保健法に基づき母子手帳や健診の受診票の交付を受けるため市町村に提出する手続きである。

 厚労省によると、9割以上の人が妊娠11週までに自治体に妊娠を届け出ているという。昨年夏以降に妊娠した人は今年出産を迎える人が多いとみられる。

 図表で明らかなように、5、6、7月の3カ月間はいずれも6万人台に落ち込んでいる。6万人台はこれまでになかった少なさだ。

 とりわけ、5月は6万7322件と、前年同月比で17.6%もの減少となった。5月は政府が発令したコロナ禍対策の最も強い措置、緊急事態宣言の最中であった。政府が7都府県での緊急事態宣言を発したのは4月7日、これが16日には全国に広がり、5月26日まで続いた。

 7月も同10.9%減となり、減少幅が再び2桁となる。この結果、5月から7月までの届出数が前年比で11.7%も減った。1~10月の累計は前年同期比で5.1%減、2019年通年と2018年通年を比較した、前年比3.3%減と比べ、2020年の落ち込み幅が加速している。

 この割合で推移すると、2021年の出生数はどのようになるのだろうか。