終電繰り上げの
効果は限定的

 これにより多数の運転士が出勤停止となったため、大江戸線は12月27日から1月11日まで、運行本数を通常の7割程度に減らす措置を行った。

 都営地下鉄の利用者数は感染拡大前と比較して約3割減少しているが、運行本数も3割減少し、例えば森下から両国・飯田橋方面は朝7時台でもおおむね10分間隔の運転になったことで混雑による遅延が発生。都営地下鉄では4日から朝晩のラッシュ時間帯に東京メトロ線やJR線への振り替え乗車を行う事態となった。

 医療・介護施設を除けば、感染拡大がインフラの維持、運営に直接的に影響を及ぼした最初の事例となっただけに、関係者の間に衝撃が広がっている。

 もうひとつ、鉄道事業者を悩ませたのが、終電繰り上げを巡る圧力だ。JR東日本と私鉄各社は今年3月のダイヤ改正で終電時刻を10分から30分程度繰り上げる予定だが、小池都知事ら1都3県の知事は1月7日、鉄道事業者に対しこれを前倒して実施するよう要請した。

 しかし、ダイヤ改正そのものを前倒しすることは、車両運用や要員計画の点から困難であるため、JR東日本と私鉄各社は現行ダイヤのまま深夜時間帯の一部列車を運休して、終電時刻を1月20日から約10~30分程度繰り上げると発表した。期間は緊急事態宣言と同じ2月7日までを予定するとしている。

 ただ、わずかな時間、終電を繰り上げたところで外出抑制の効果は高まるとは言い難い。半面、周知や準備、取り扱いの変更などを考えると、鉄道事業者の負担は決して小さなものではない。国や自治体は、こうしたスタンドプレーではなく、実効性のある感染予防策に力を入れるべきだろう。