JR北海道はコロナ禍で収入が減る中、2021年春に利用客の少ない18駅を廃止する決断を下した。路線維持はどこまで厳しくなっているのか。特集『航空・鉄道 最終シナリオ』(全18回)の#13では、全国175のJR路線について、5年間でどれだけ利用客が減ったかをランキング。ワースト3に入った路線は、実に4割を超える利用客の減少に見舞われていた。(ダイヤモンド編集部 清水理裕)
JR本州3社、数千億円規模の赤字
旅客減で見る175路線の廃止危険度
北海道旅客鉄道(JR北海道)は2021年春のダイヤ改正で、宗谷線など4路線で計18駅を廃止する。同社のダイヤ改正に伴う駅の廃止数としては、過去最多。新型コロナウイルスの感染拡大で、利用客が激減したことが響いた格好である。
厳しいのはJR北海道だけではない。21年3月期の純損益は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が4180億円、東海旅客鉄道(JR東海)が1920億円、西日本旅客鉄道(JR西日本)が2400億円と、それぞれ巨額の赤字に沈む見通し。利用者が減り、赤字が膨らむ路線を何とかしなければ、各社の鉄道経営は立ち行かなくなる。
そこで、ダイヤモンド編集部は、全国175のJR路線について、5年間でどれだけ利用客が減ったかを算出し、ワースト順にランキングした。30年後の「沿線人口の減少率」も独自に推定し、将来存続が危うくなる路線をあぶり出した。それでは、ランキングを見ていこう。