米議事堂、デモ隊占拠を受け警備強化
米議事堂、デモ隊占拠を受け警備強化 Photo:REUTERS/AFLO

暴徒が米連邦議会の議事堂に乱入、
深刻さが増す米国社会の分断

 コロナショックをきっかけにして、経済的な格差、保守とリベラル、人種や地域などによる違い、といった世界的な「格差」が鮮明化している。その一つの例が米国といえる。

 1月6日、トランプ大統領の支持者をはじめとする暴徒が、米連邦議会の議事堂に乱入し一時占拠した。その映像は広く全世界に放映され、米国社会の分断が深刻であることが明確になった。米国の社会が、一つの理念の下に連帯感を持つことは難しくなっている。

 特にトランプ大統領は、その「分断」を利用して政権を維持してきたともいえる。今回、トランプ氏が大統領選の結果を認めず、あくまでも自分の主張に賛同する人々を糾合して連邦議会が占拠される事態になった。それはまさに、米国社会の分断を象徴する事件だった。

 これまでFRB(連邦準備制度理事会)は、景気の下支えのために金融政策を緩和して、多額の資金を市中に供給してきた。その資金はあまり実体経済に向かわず、投資資金として株式市場に入り込んだ。

 その結果、株価は大きく上昇し、多くの株式を保有する層には大きな福音となる一方、新型コロナウイルスの感染拡大によって職を失う人々も多かった。それが社会の不満を増幅し、米国を分断する一因となった。

 今後、バイデン政権にとって喫緊の課題は、新型コロナの感染拡大に歯止めをかけることに加えて、米国社会の分断を修復することだ。

 バイデン政権は、政権発足と共に国内政策に時間を割かなければならないが、その分、国際協調への取り組みは遅れることが懸念される。米国の分断は、世界全体に深刻な影響を与える恐れがあるのだ。