若手アスリートが意識している結果以外に大事なこと

朝日 建設時、運営時のそれぞれに関して国のいろいろな支援が必要ということですね。今日は、池田さんからいろいろな示唆を頂くことができました。スポーツビジネスには、出資をする人、コンテンツとしての価値を高める人、その恩恵を受ける人など、いろいろなステークホルダーが関わっています。その関係をしっかり整理して、スポーツを核としたお金や人の循環を地域でつくっていくことが重要であることがよく分かりました。

 一方で、アスリートの側も変わっていく必要があると思います。以前のアスリートは「優れた成績さえ残せばいい」と考えていました。この時代、そのような考え方はもう通用しません。自分の競技がどのような価値を生み出し、人々に何を与えているのか──。それを自分の言葉で語らなければなりません。

池田 若い選手の中には、そのような意識を持っている人が増えてきていますよね。

朝日 その通りです。大坂なおみさんをはじめ、意識が高い選手はいい結果を出すという傾向があります。そんな文化を日本のアスリートにもっと広めていきたいですね。

――朝日さんは、ビーチバレーで2回オリンピックに出場されています。最後に、競技をする立場からオリンピック・パラリンピックの意義をお聞かせください。

朝日 選手にとって最も大切なのはもちろん戦いに勝つことですが、私の記憶に強く残っているのは、ボランティアスタッフの皆さんと交流したことや、観戦する地元の人たちから水やタオルをもらったこと、あるいは選手村の周辺を散策して、現地の文化を体験したことです。オリンピック・パラリンピックには、世界中の人たちが開催地の人や文化に触れる機会という重要な意義があります。もちろん安心・安全が最優先ですが、異文化交流という意義は忘れないようにしたい。そう思っています。