中国初の分譲住宅は
1981年に建設されたマンション

 北京市や上海市などでも同様で、もともと都市部の「単位」に住んでいた人々は、このようにして、安価で払い下げられた住宅を高値で転売したり、それを他人に貸して自分は新しい分譲住宅を購入したり、あるいは、転売で得たお金を元手に新規事業を始めたりする、という人が多かった。

『中国人のお金の使い道 彼らはどれほどお金持ちになったのか』書影『中国人のお金の使い道 彼らはどれほどお金持ちになったのか』(中島恵・著)、PHP研究所・刊、新書、240ページ。

 ちなみに、中国初の分譲住宅は1981年に建設された広東省深セン市の「東湖麗苑」(マンション)だといわれている。当時の販売価格は1平方メートル当たり1000元(当時のレートで約12万9000円)だったが、2000年末現在、中国の不動産サイトで検索すると、1平方メートル当たり約5万8000元(約87万円)と表示されており、中国元で見ると、約40年間で50倍以上も値上がりしている。サイト上で売り出されている「東湖麗苑」の中古の物件を見ると、面積は46平方メートルと狭いが、価格は276万元(約4140万円)もした。

 30年以上、ほとんど物価が変わらず、ガラパゴス状態の日本では到底信じられないような話だが、こうした独特の社会背景があることが、彼らが不動産を喉から手が出るほど欲しがる理由だし、今でも2軒、3軒と不動産を持つことが「当たり前」だと考えるゆえんなのである。