プライバシーを守りつつ
地球環境に貢献するサーチエンジン

 ただし、こと検索サービスに関しては、その網羅性やテキスト以外のイメージ情報などの検索性の高さにおいて、現時点ではGoogleを超えるサービスがないことも事実だ。もちろん、ファッショントレンドなどを知る上で「Instagram」を参考にしたり、バズワードのような最新トレンドは即時性の高い「Twitter」で調べたりする人も少なくないが、総合的に見て依然としてGoogleは優位性を保っている。

 電気を使わない生活にはなかなか戻れないように、検索サービスを使わずにネット上の情報にアクセスすることは困難である。だからこそ、できるだけプライバシーを守れるサービスを利用することも、自衛手段として覚えておきたい。そうした選択肢の一つが、「Ecosia(エコジア)」というドイツ生まれの検索サービスだ。

 Ecosiaでは、マイクロソフト製のサーチエンジン「Bing」で得た検索結果を、自社のアルゴリズムで強化した上で提供している。検索に伴うデータは暗号化され、一時的にしか保存されない。そのため、サードパーティーへプライバシーが販売されることもない。そもそも、検索履歴を活用しての利用者のプロファイリング(推論)を行わず、外部のトラッキングツールも使っていない。

 Ecosiaを使って検索すれば、検索ワードに関連した広告が行く先々のWebサイトでしつこく表示される目障りさから解放されることになる。

Ecosiaシンプルな検索フィールドや、環境保護関連のニュースフィードメニューからなる「Ecosia」のWebページ。のべ検索回数はリアルタイムで更新され、このページで自分が検索した回数も右上に表示される

 一方で企業としてのエコジアは、検索結果に対して表示される広告から得た利益の8割を、植林や森林再生活動を行うNPO団体に寄付する「ソーシャル・ビジネス企業」でもある。

 利用者による広告のクリック約45回分で、1本の木が植えられる計算だが、1本の木を植えるのに必要な利益をわずか1.3秒で得られるほど多くの検索(と広告クリック)が行われている。そして、2009年末のサービス開始から現在までに、1億1700万本以上の植林がなされてきた。

 筆者は、macOS、iOS、iPadOS向けの純正ブラウザ「Safari」の検索エンジンをGoogleから「Ecosia」へと変更しており、Ecosiaの検索結果では不十分な時に限って、Googleで検索を行うようにしている。

プライバシー保護の決め手は
アップル純正検索エンジンか?

 アップルに話を戻すと、プライバシー保護の完全な履行のためには、自前のサーチエンジンを持つ必要がある。リリースがいつになるかは不明だが、純正検索エンジンは開発中と考えられており、筆者も以前から当然の流れとしてその可能性を指摘してきた。

 地図(Apple Map)や電子決済システム(Apple Pay)なども純正でそろえてきたアップルだが、純正検索エンジンという最後の1ピースを埋めなければ、プライバシー保護のジグソーパズルは完成しない。個人的には、そのジグソーパズルが一日でも早く完全な形で利用できるようになることを願っている。