マークが生徒たちの修学旅行先を中国に決めたときも、「なぜヨーロッパじゃなく中国なんだ?もっと普通のまともな国にしろ」と北ミシガンの保護者たちから苦言が出た。マークは「日頃小さな街に住んでいる若者が、全く異質の文化に触れることにこそ、意味がある。中国をミシガンに持ってくることはできないから、現地に行くんだ」と言い、学生たちを引率した。

 昨年の民主党予備選挙では、彼はオハイオ州の30代の候補、ピート・ブダジェッジ氏に投票した。

「より進歩的な世界をつくり出していく若さと行動力に、希望を持ったからね。彼が撤退したから、本選ではバイデンに投票したけど」

「負け」を信じられない
議事堂襲撃事件の当事者たち

ミシガン州でバイデン支持者とトランプ支持者の家が隣り合わせにミシガン州でバイデン支持者とトランプ支持者の家が隣り合わせに

 そんなマークは、1月6日の米国議事堂襲撃事件をテレビで見ながら、全く驚いていない自分に気付いた。

「トランプに何年もずっと嘘をつかれて騙されてきた人たちは、選挙で敗北し、まるである日突然、『サンタクロースなんて実は存在しない』と言われた幼児のようなものだ。トラウマ級のショックを受けているはずだ。愛国者の自分たちが負けるはずがない、と心から信じてしまっている」

 トランプ大統領に「アイラブユー」と言われ、煽動されれば、支持者たちはカルト宗教のように、たとえ毒入りの“クールエイド”でも飲み干してしまう危険があるかもしれない、とマークは見ている。

 北ミシガンからも、バスを連ねて1月6日のワシントンDCデモに参加したトランプ支持者たちがいた。マークのかつての教え子たちや保護者たちが、あの数千人の群衆デモの中にいた可能性もある。

「トランプ大統領は暴力を煽動した責任を取って、有罪判決を受けるべきだ」とマークは言う。現在、トランプ氏のツイッターはツイッター社の判断によって永久停止されている。