コンビニが売り上げにならない「日用品」に再注力し始めた理由コンビニの日用品売り場が変わり始めているようだ Photo:Diamond

コロナ禍で人々の生活は大きく変わりました。生活に密接にかかわっている「コンビニ」にも変化が求められています。アフターコロナのコンビニはどんな存在になるのか。カギは「日用品売り場」にありそうです。(マーケティングアナリスト 渡辺広明)

コンビニ各社が
「日用品売り場」に注力している

“開いてます、あなたのローソン”のテレビCMが始まったのは、1979年のことでした。当時、日本のコンビニ業界は黎明(れいめい)期。「ローソンはあなたの近くの食料品と雑貨のお店です」というナレーションとともに、少年が剥がれた野球帽のマークを直すため、接着剤を買いに行くという内容でした。

 この当時、コンビニに求められていたのは、緊急時に必要なものが手に入る店としての役割でした。

 その後、平成後期からは高齢化、女性の社会進出などの影響を受け、コンビニは「日常の買い物をする場所」として徐々にその役割を変えつつありました。こうした中で、昨年のコロナ禍ではテレワークの浸透や、外食、イベントなどの自粛で人の動きが大きく変化。オフィスや繁華街で売り上げが苦戦する一方で、住宅立地の店舗を中心に、中食や家飲み用のアルコール関連商品など、日常使いの商品が売り場にどんどん増えています。

 そんな中、コンビニ各社は今、日用雑貨の品ぞろえに力を入れ始めています。