米国は主要先進国で
ほとんど唯一人口増加

独立行政法人労働政策研究・研修機構の『データブック国際労働比較2019』によると生産年齢人口は次のように推移します。

【日本の15~64歳の生産年齢人口の変化】
・2000年:8701万人(総人口に占める割合:68.2%)
・2020年:7482万人(総人口に占める割合:59.2%)
・2030年:7004万人(総人口に占める割合:58.0%)
・2050年:5366万人(総人口に占める割合:50.7%)

人口が激減し、生産年齢人口も減り続ける日本に経済成長を望むのは、無理があります。

それでも投資先として日本株を選ぶべきなのでしょうか。

アメリカも2010年代に人口ボーナス期は終了していますが、総人口と生産年齢人口は増え続けています。

出生率は下がっているものの、人口流入が活発であり、主要先進国でほとんど唯一人口増加を続けているのです。

私が子どもの頃には、アメリカの総人口は約2億人と教わったものですが、現在はおよそ3億3000万人に増えています。

2019年に国際連合が発表した世界の人口予測では、2050年のアメリカの総人口は3億8000万人に増加するとされています。

同時期の日本の予測値の約3.7倍です。

前述の独立行政法人労働政策研究・研修機構のデータでは、アメリカの15~64歳の生産年齢人口の予想推移は次のようになっています。

【アメリカの15~64歳の生産年齢人口の変化】
・2000年:1億8583万人(総人口に占める割合:66.0%)
・2020年:2億1514万人(総人口に占める割合:65.0%)
・2030年:2億1767万人(総人口に占める割合:62.3%)
・2050年:2億3176万人(総人口に占める割合:61.1%)

加えて、デジタル通貨や暗号通貨が広がったり、中国がさらに台頭してきたりしても、当面は米ドルが基軸通貨であることは変わらないでしょう。

基軸通貨とは、国際通貨のなかでも中心的な地位を占め、各国での通貨の価値基準となり、貿易や株式投資などの金融取引でもっともよく使われる通貨を意味します。

アメリカの人口と生産年齢人口の増加は、生産と消費を増やして国力と経済力の成長に寄与します。

米ドルが今後も基軸通貨であり続けるという状況を踏まえると、大局的にはアメリカの国際的な地位は揺るがず、株式市場も成長すると考えられます。

以上、本連載で米国株が最強すぎる9つの理由を述べてきましたが、中長期での投資先として相応しいのは、日本株よりも米国株であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。