たとえば、コアなファンが中年以降にシフトするファンの高齢化、タレント側がパフォーマンス力の高さより「若い女の子」としてテレビ番組などでポンコツやおバカを演じることを求められることなど、若者を引き寄せる魅力に乏しくなっている。そこから、NiziUは同世代の若い女性たちを中心に人気を博すのではないかと考えた。

モー娘。とK-POPの
間をとった苦肉の策

 NiziUは、サバイバル・オーディションの経過をネット番組などで内情まで見せることで、見る者に共感を与えて、応援したくなる気持ちを促して、デビューまでにファンを獲得するという手法をとっている。これはモーニング娘。(1997年~)のときとほぼ同質のものだろう。

 また、モーニング娘。をプロデュースしたつんく♂氏は、少女たちの魅力を引き出す名プロデューサーとして人気となり、女性たちの魅力のあり方を個性にあると説いた『LOVE論』を出版してベストセラーになっている。NiziUのプロデュースを担当するJ.Y. Park氏の存在感は、当時のつんく♂氏とほぼ同じようなものだと感じる。

 またそれは、Niziプロジェクトが単に日本人メンバーによるK-POPガールズグループを作るものではなく、日本におけるアイドルグループの成功ノウハウも積極的に取り入れて、少なくとも最初は日本のマーケットで成功を収めることを主眼に置いていることの証左だろう。

 Nizi Projectが立ち上げで成功したことは、2020年6月にYouTubeで配信された楽曲『Make you happy』が、この記事を執筆している現時点で2億回以上も再生をされていることに表れている。『Make you happy』のPVを見て、私もNiziUの成功を確信したほどの出来だった。

 ただし、一つだけ違和感を持ったのが、この楽曲が「プレデビュー」であったことだ。プレデビューとはいったいどういうことかと今一つのみ込めなかったのだが、テレビの歌番組で見たNiziUのパフォーマンスを見て理解できた。