まだ実力が伴っておらず、完成されていないのである。確かに日本のアイドルグループの平均と比べるとそれなりの技量やポテンシャルの高さを感じるが、少なくともかなり長期間にわたって訓練を重ねたのちにデビューすることが多いK-POPグループと比べると見劣りすると言わざるを得ない。

 考えるに、サバイバル・オーディションですでに人気を獲得していたので、できるだけ早くデビューさせたいが、まだ完成と言うには遠い、だからその間をとった苦肉の策がプレデビューという方法だったのではないだろうか。そして、「プレデビュー曲」となった『Make you happy』が「大ヒット」となったわけだが、このことがNiziUというガールズグループの位置づけをよくわからないものにしてしまっている。

 先にテレビCMやドラマなどで露出させて、人気が高まった後で音楽デビューさせるという手法は、昔から使われており決して珍しいものではない。それは「デビュー曲が初登場でオリコン1位」といったインパクトのある華々しいデビューにつながるからだ。だが、NiziUの場合、プレデビューという曖昧な出し方をしたために、「デビュー曲」のインパクトがかなりそがれてしまった印象だ。

『Make you happy』よりも
インパクトで劣るデビュー曲

 2020年12月2日にリリースされたデビュー曲『Step and a step(ステップ・アンド・ア・ステップ)』は、YouTubeに公開されて約2カ月で再生回数が7000万回を超えている。通常であれば合格点以上だろう。ただし、「プレデビュー曲」である『Make you happy』が2億回を超えたのと比べると、インパクトの点で見劣りすることも否めない。

『Step and a step』は「踏み出そう、でもちょっとずつ」くらいの意味だと思うのだが、確かに新型コロナウイルス禍という「つまずき」の中で、それでも自分らしく一歩ずつ前に進もうという前向きなメッセージ性を打ち出し、PVではパステルカラーをちりばめた明るさとかわいらしさにメンバー間の友情を表に出して、耳心地の良いなめらかな旋律をキャッチーにちりばめており、何か欠けたものがあるとは思わない。