時代や環境変化の荒波を乗り越え、永続する強い会社を築くためには、どうすればいいのか? 会社を良くするのも、ダメにするのも、それは経営トップのあり方にかかっている――。
前著『戦略参謀の仕事』で経営トップへの登竜門として参謀役になることを説いた企業改革請負人が、初めて経営トップに向けて書いた骨太の経営論『経営トップの仕事』がダイヤモンド社から発売されました。本連載では、同書の中から抜粋して、そのエッセンスをわかりやすくお届けします。

Photo: Adobe Stock

成果主義評価を単純に取り入れると、
社内にエゴイズム蔓延の危険があることは、欧米企業の常識

 今回は、成果主義の評価導入におけるマネジメントの課題を考えてみます。

 成果主義の評価は、社員に対しては「成果を上げた人は報われる」制度とうたわれます。

 人が治める「人治」式のマネジメントが前提にある米国企業では、どうしても主観的な評価が横行してしまいます。よって、客観性のある評価基準として必要に迫られて米国で拡がったのが成果に基づく評価のあり方です。

 しかし、低成長下の日本企業においては、米国で取り入れられた時の意図とは異なり、人件費率をコントロールする道具立てとして導入が進みました

 この成果主義の評価をただ単純に取り入れると、社内にエゴイズムが蔓延する危険性の種を蒔くことは、欧米企業ではすでに常識です。

 これを放置すれば、自分、自部署の評価につながらないことは誰もやりたがらなくなります。その結果、

・自分、あるいは自部署がその数字を達成さえしていれば他部署のことは関係ない
・中長期的な課題などには誰も着手しない

 などの、保身も含めた個人主義(エゴイズム)が蔓延します。