スカイマークの20年4~9月期の業績は非開示。だが、同年9月16日に読売新聞、翌日に日本経済新聞が営業損益で約100億円の赤字になるとの見通しを報じている。
しかし、ダイヤモンド編集部によるファンド関係者への取材で、実際の営業損益が約170億円の赤字であることが判明。純損益では約160億円の赤字を計上し、20年3月末時点で216億円を確保していた純資産が、その後大幅に目減りしている実態が明らかになった。
そのスカイマークには、国内投資ファンドのインテグラルが50.1%、ANAホールディングス(HD)が16.5%、日本政策投資銀行と三井住友銀行が共同出資するファンドが33.4%を出資している。
スカイマークはこれらの大株主に対して、第三者割当増資の引き受けを打診。だが、コロナ禍で旅客需要の回復が不透明なこともあり、調整は難航する恐れがある。
実際、インテグラルは支援要請に応じる公算だが、「ANAHDは応じない方針、政投銀と三井住友銀も追い銭を払うかどうか不透明」(証券業界関係者)という情勢だ。
一方、同様に経営不振に陥っている航空会社のスターフライヤー(北九州市)の要請に対しては、ANAHDは大株主として20年12月に追加出資することを決断した。スカイマークとは対照的な態度を取っている。
なおダイヤモンド・オンラインでは、ANAHDがスカイマークの要請に応じない背景などについて『スカイマークが100億円超の増資へ、それでも大株主ANAが応じない理由【スクープ完全版】』で詳報している。