倒産連鎖#19
Photo by Yoshihisa Wada

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界の航空業界が大混乱に陥っている。各国の渡航制限をはじめ日本国内でも出張や旅行の自粛で人の流れが止まり、航空各社は大規模な運休や減便を強いられている。2020年に再上場を予定していたスカイマークは、どのような影響を受けているのか。特集『倒産連鎖危機』の#19では、同社の筆頭株主である投資ファンド、インテグラルの代表取締役を務める佐山展生・スカイマーク取締役会長に、上場計画から再編の可能性までを語ってもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

「上場延期を決めたわけではない。
今は判断しようがない」

――スカイマークは2019年10月に東京証券取引所に株式上場の申請をしました。早ければ20年4月にも上場するといわれてきましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、上場を延期すると報道されました。

 上場する時期については、もともと「早くて4月、20年秋くらいまでに」という話をしていただけ。経営陣の中でも株主間でも、まだ時期について話をしておらず、延期を決めたわけでもなんでもありません。

――今、上場するのは難しいのではないでしょうか。

 それは皆さんが考える通りで、株式市況を見ながら上場するものですから。一般的に言えば、市況はドーンと下がったときに、V字回復でドーンとは上がってこない。

 なぜ今、株価が下がっているかというと、ヘッジファンドなどにカネを預けている人が解約してキャッシュ化しているから。価値が下がったというよりも、売り圧力があるから下がっている。売りは一気に来るから、V字の谷は深い。

 じゃあ回復はどうかというと、一気に投資が行われることはないので、なだらかに上がる。株価の回復については時間がかかると思います。

 経済全体、事業全体についてはまた別ですよ。急にV字回復する可能性もある。事業はそれぞれの環境によって全然違うわけですから、すぐにV字回復するところもあります。

――上場は株式市場を見て後ろにずらした方がいいのでしょうか、あるいは事業のタイミングからずらさない方がいいのでしょうか。

 株式上場の目的が市場からの資金調達であれば、株式市場が回復してこないと上場できない。資金調達が目的でなければ、少しの株だけ上場するという手はあります。どっちにしても、株価が低いときに資金調達をすると会社に入ってくるカネは減るので、市況が回復しないと難しいのが一般論。

(上場時期は)今は判断しようがない。今(この瞬間には)しないということだけです。

――15年1月の破綻後、9月末に再建に向けた現体制になったときから5年以内に再び上場する計画ではなかったのですか。

 株主間で20年9月末を目標にして再建に取り組んできたのは事実です。が、19年10月23日の取締役会で上場申請の決議をしたときに、その株主間契約は失効しています。

 スカイマークの株主構成はインテグラルが50.1%、ANAホールディングス(HD)が16.5%、日本政策投資銀行と三井住友銀行が33.4%の株式をそれぞれ持っています。取締役の指名権についてはインテグラル側が3人、ANAHDと銀行団側が3人で、会長の指名権はインテグラル側、社長の指名権はANAHDと銀行団側にあり、かつ取締役会の決議は全員一致のみと決まっていました。

 この状態は私に言わせれば、実質的に「50%・50%」の会社だったのです。インテグラルが株式の過半数を持っていても、「意味のない」会社だったんですね。それが19年10月の取締役会を経て、インテグラルが50.1%を持っている「普通の会社」になったわけです(ダイヤモンド編集部注:株式の過半数を持っていることに釣り合う経営権をインテグラル側が手に入れた)。

 すごく極端な話、急に株主総会を開いて決議するとなった場合、インテグラル側だけで通るようになったんですよ。まあ、そんなことはしませんけどね。