この新経済構想は文在寅氏が金正恩氏に渡したUSBメモリに記されている。青瓦台はUSBメモリの資料が水力発電や火力発電に関するものだと主張するが、産業部はその後北朝鮮に原発を提供する資料を作成したのであろう。こうした疑惑を晴らすのであれば、USBメモリを公開する必要があるが、青瓦台と民主党はこれを拒んでいる。

 こうした一連の文書は、産業部の公務員が単独で作成できるものではないだろう。この時期は「月城原発1号機はいつ閉鎖されるのか」という文在寅大統領の一言で韓国水力原子力に圧力を加えて月城1号機を早期に閉鎖し、新規原発建設白紙化を推進している時期であった。

 朝鮮日報の独自取材によれば、月城原発の閉鎖過程で、産業部の職員が、金秀顕(キム・スヒョン)青瓦台社会首席秘書官(当時)がチーム長を務めていた青瓦台エネルギータスクフォース(TF)と緊密に協議し、指示を受けていたことが明らかになったそうである。

 こうした疑惑に関し、オリ・ハイノネン元国際原子力機関(IAEA)事務局次長は「(韓国政府が)何を議論し、どのような計画を進めようとしていたか解明することが最も重要」だと指摘した。

 ハイノネン元次長は「国連安保理決議1718と2397には『北朝鮮におけるすべての核兵器と現存する核開発計画を直ちに廃棄しなければならない』と記しているが、この核開発計画には(寧辺の)軽水炉や5メガワット原子炉なども含まれている」「そのため誰かが北朝鮮に(既存の)原子炉に代わる施設を建設するとなれば、これはおかしなことだ」と強い懸念を示した。

 さらに、1990年代のKEDO当時と比べ、北朝鮮は核兵器を保有している。同元次長は「北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)に復帰しない限り、北朝鮮の地に原子炉を建設することはできない」と断言した。

北朝鮮での原発建設の
疑惑究明は不可欠

 こうした疑惑に対し政府・与党は一斉に総反撃に出ている。

 文大統領は「マタドール(根拠のない話による政治攻勢)」として不快感を表し、「旧時代的な政治攻勢」と野党を批判した。青瓦台関係者は「一線を越えた政治的宣伝だ。人々を惑わす無責任な扇動」と大統領に迎合した。