森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会会長 1月28日、バッハ会長とのビデオ会議の後、会見に臨む森喜朗東京五輪・パラリンピック組織委員会会長 Photo:Takashi Aoyama/gettyimages

コロナ禍で東京五輪・パラリンピックが開催できるかできないかの議論が、思考停止状態に陥っていたところ、また新たな難儀が降りかかってきた。森喜朗会長の女性蔑視と取れる発言である。国際社会からこれほど非難されても慰留されるのはなぜなのか。(元JOC職員・スポーツコンサルタント 春日良一)

問題は会見で露呈した認識の薄さ

 東京五輪・パラリンピック組織委員会(以下、組織委)会長の森喜朗氏の発言が世界に波紋を広げた。日本オリンピック委員会(JOC)の会議の挨拶の場で、JOCの女性理事の割合を4割にするという目標に関して、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」などと発言したのだ。

 今回の発言は、オリンピック憲章の根本原則にある「オリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などによるいかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」に抵触し、オリンピック改革綱領が進める男女平等政策にも背くものである。

 その上、その後の会見も問題だ。森氏が発言を撤回・謝罪したが、記者の質問に答える中で、むしろジェンダーイコーリティー(男女平等)について認識が薄いことを示してしまったことだ。そのような考えの持ち主が、東京で五輪を組織するトップであることが批判の対象とならざるを得ない。