【その3】「微妙な案」も詰めてみる
――自分の「好き」や「欲求・欲望」からアイディアを生むというお話も面白かったです。「世界を自分の思い通りにしたい」という欲望から生まれた、流れ星を見たときに使う「願い事を高速で3回しゃべるキーホルダー」。商品化されたら子どもたちが喜びそうです。
藤原 「世界を自分の思い通りにしたい」って思っても、無理ですよね。それでも無理やり叶えるとするならどういう方法があるかと考えて生まれたアイディアです。「流れ星が流れている間に願い事を3回唱えると夢が叶う」というファンタジーな話とくっつけたんです。
スイッチひとつで、録音しておいた願い事が高速で再生される。(『考える術』より)
現実性だけを考えて、最初から「これはできない、あれもできない」とアイディアをボツにしてしまうと、面白いことは浮かんできません。ほかにも考えているときって、良いとか悪いとか、面白いとかつまんないとか、いろんな考えや感情が邪魔してきます。
でもそれは、端から見たら案外、自分の判断とは違ったりもするんですよね。私も以前、「これしょうもないな」と思ってずっとボツにしていた「ハンコをかっこよく押せるマシーン」という作品がありました。
ピストルにハンコをつけて、狙ったところにハンコを飛ばせたら気持ちいいんじゃないかというものなんですけど、たまたま暇だったときに作品をつくってツイッターで公開してみたら、すごく反響があってびっくりしました。逆に、「これは絶対ウケるはず」と思った作品の反響がなくて、がっかりしたこともあります(下記参照。音が出ます)。
ハンコをかっこよく押せるマシーンを作りました pic.twitter.com/gmBU66LdeT
— 藤原 麻里菜 | Marina Fujiwara (@togenkyoo) September 1, 2020
だから、新しいアイディアを考えるときは、最初からボツにはせずに、限界までハードルを下げること。あとは、手を動かして具体的に詰めてみる。それで人に見せるなどしてフィードバックをもらう。その繰り返しがいいのかなと思います。アウトプットまで習慣化したほうが、考える力は確実に鍛えられると思います。
【大好評連載(全5回)】
第1回 「頭のかたい人、柔らかい人」の決定的な3つの差
第2回 「頭の柔らかい人」がしている4大習慣
第3回 【必見】「史上最高に無駄な発明」ベスト3
第4回 「頭の柔らかい人」は知っている3大発想法
第5回 【藤原麻里菜】ネガをポジに反転させる思考法