SNS総再生数4000万回超! 英米やヨーロッパ、中国など海外でも注目され、台湾で開かれた個展には2万5000人もの観客が殺到と、いま最も注目の「鬼才」発明家、藤原麻里菜さん。その「無駄づくり」と称する異色コンテンツは、「いったい、どうやって思いついたのか!?」と思わされる、すさまじくユニークなものばかりだ。
今回、その思考の方法について初めて公開した新刊『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』を発表。本書には、これまで数百もの作品を発表してきた藤原さんの71に及ぶ「考える術」が詰まっている。
「言葉から考える」「逆を考える」「短時間で考える」「欲から考える」など、その実践的な思考術は、読めば読むほど脳を刺激してくれる。ネガティブな感情を生かしてアイディアを考えているという藤原さんに、その思考の秘訣を聞いた。(取材・構成/樺山美夏、撮影/柳原美咲)

ネガティブな感情が「原動力」になる

――藤原さんの作品は、ストレス、嫉妬、モヤモヤした悩みごとから生まれたアイディアが多いですね。「カップルが『別れました』とツイートすると光るライト」も、まさにそういう作品です。ネガティブな感情は、作品づくりの原動力になっているのでしょうか。

藤原麻里菜(以下、藤原) そうですね。私の場合、なんか嫌だなと思ったこととか、モヤモヤした気持ちからアイディアを考えることが多いです。ネガティブな感情を抱えているとどうしても問題意識が生まれて、「どうやったらそれを解決できるか?」と考えるきっかけになるので。

「カップルが『別れました』とツイートすると光るライト」を考えたのは、クリスマスのときです。ツイッターで、カップルの共同アカウントってあるじゃないですか。そういうので、カップルがイチャイチャしているのを見るのはへこむな、と思ってたんですけど、時間がたつと、なかには「別れました」とツイートして、アイコンを真っ黒に変えちゃってそのまま更新が止まったりすることがあるんですね。

 これをそのつど、ぼーっと光るライトで知らせてくれたら、独りぼっちでいるときのネガティブな気持ちが解消されるかもしれない、と。そう思ってつくったんです(下記参照。音が出ます)

 ネガティブな感情が起点になってはいるんですが、暗い思いを暴言とかで他人に向けるんじゃなくてアイディアにしてしまうという意味では、自分の中ではすごく前向きな作品だと思っているんです(笑)。こういうふうに、ネガティブな感情がぐるぐると渦巻いてきたら、何か別の感情に翻訳してアイディアにすることは多いです。

藤原麻里菜(ふじわら・まりな)
1993年、横浜生まれ。発明家、映像クリエイター、作家。頭の中に浮かんだ不必要な物を何とかつくりあげる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。SNSの総フォロワー数は20万人を超え、動画再生数は4000万回を突破、その人気は中国、アメリカ、ヨーロッパなど海外にも広がっている。2016年、Google主催「YouTubeNextUp」に入賞。2018年、国外での初個展「無用發明展――無中生有的沒有用部屋in台北」を開催、2万5000人以上の来場者を記録した。Awwwards Conference Tokyo 2020、eAT2018 in KANAZAWA、アドテック2016東京・関西などで登壇。「総務省 異能vation 破壊的な挑戦者部門 2019年度」採択。最新刊に『考える術──人と違うことが次々ひらめくすごい思考ワザ71』がある。