生徒全員がつくりあげた勝利

 京都橘高校、全国大会金賞!文句なしの復活でした。

 1998年のグランドスラム達成の夜、「こんなことは続かない」「マーチングバブルみたいなもんや」と感じていた私でしたが、このときは明らかに異なりました。

 やろうと決め、やり方を考え、それを実行し、結果を手にする。まさに生徒全員が自分たちでつくり上げた勝利であり、「大会の成績というのは、真面目にやっていればご褒美としてついてくる」という、私の日頃の言葉どおりになったのです。

 私のがまんを重ねる弱弱指導のお返しに、オレンジの悪魔たちは、こんな指導者冥利に尽きる物語を生み出してくれたのでした。

 全国大会に返り咲いたその後も、オレンジの悪魔の活躍は続いています。

2009年(106期生) 全国金賞
2010年(107期生) 三出休み
2011年(108期生) 全国銀賞
2012年(109期生) 関西金賞
2013年(110期生) 関西金賞
2014年(111期生) 全国銀賞
2015年(112期生) 全国金賞
2016年(113期生) 関西金賞
2017年(114期生) 関西金賞

 私は2018年3月で京都橘を去りましたが、その年も、2019年も関西大会金賞。

 そして2020年は、新型コロナウイルス感染症により大会は中止です。練習すらできない生徒たちのことを思うと、かわいそうでなりませんでしたが、京都橘だけでなく世界中の表現者にとって、辛い1年となってしまいました。

 なかでも3年生が本当にかわいそうですが、こればかりは時を待つしかありません。何もかもがスムーズにいくわけではないのです。