もはや「大企業=儲かる会社」では
なくなってしまった

 1人当たりの粗利は、もちろん企業によってさまざまです。諸説ありますが、1つの目安として、かつては非上場企業の平均で1000万円、上場企業の平均で1500万円といわれていました。

 上場の有無にかかわらず、5000万円近い数字を上げている会社もありますが、多くは1000万円前後に落ち着きます。その一方で、1000万円を大きく下まわっている会社もあります。

「そんなこといっても、大企業は儲けているんじゃないの?」
  こうした疑問をお持ちになられる方も多いかと思います。しかし、誰もが知っている大企業でも、今、厳しい状況に追い込まれているのです。

 次の数字は、日本を代表する電機メーカーの2011年度の有価証券報告書から算出した1人当たりの粗利です。

○パナソニック 1981701(百万円)÷330767(人)=5.991=約599万円
○シャープ 412008(百万円)÷56756(人)=7.259=約726万円
○NEC 907916(百万円)÷109102(人)=8.321=約832万円

 いかがでしょうか。日本を代表する企業であっても、「1人当たりの粗利」という観点からみると、決して「儲かっている」わけではないのです。