中国でもプリンターや複合機、家庭用ミシンの販売を行っているブラザー。もともとミシンメーカーとしてのイメージが強かったが、現在ではグループ全体で1割程度。ブラザーはIT機器メーカーとして、世界で親しまれるブランドになっている。そのブラザーで、中国市場での販売を統括する橋本安弘・董事長・総経理に、事業戦略について話を聞いた。
ブラザーはSOHOをターゲット
中国ではHP、サムスンと3強
――中国での事業概要を教えてください。
ミシンメーカーとしても有名な当社ですが、現在はグループ全体のミシン事業は売上ベースで1割程度、プリンターや複合機を中心とするプリンティング・アンド・ソリューションズ(P&S)事業が売上の7割弱を占めています。
中国では、生産工場向け工作機械等を製造販売するマシナリー・アンド・ソリューション(M&S)事業とP&S事業が2本柱になっています。弊社、兄弟(中国)商業有限公司は、中国におけるP&S事業および家庭用ミシンを扱うパーソナル・アンド・ホーム(P&H)事業を担当し、上海を含む北京、広州、成都、瀋陽の5拠点体制で営業しています。
――中国プリンター市場の競合状況はどうなっていますか?
A3サイズプリンター市場には大手コピー機メーカー、単機能プリンター市場にはPCメーカーという強敵がいる中で、ブラザーは「SOHO向けのプリンター複合機市場」にフォーカスして戦っています。中国のレーザープリンター複合機市場では、HPを筆頭に、サムスンとブラザーを加えた3強が競合しています。