14年前に中国に進出し、中国のフォークリフト(バッテリー車)市場で20%のシェアを持つニチユフォークリフト(上海)副総経理の高田雅章氏に同社の中国事業展開について聞いた。

バッテリー車は環境に良く
政府方針にも合致する

高田雅章・ニチユフォークリフト(上海)有限公司副総経理

――フォークリフトには「バッテリー車」と「エンジン車」があるんですね。

 そうです。日本のフォークリフトはバッテリー車の方が多く、全体の60%を占めています。弊社は創業75年のフォークリフトのバッテリー車専業メーカーで、日本市場では約30%の市場シェアがあります。中国では1998年にニチユ(上海)を設立し直販をスタートしました。

 中国のフォークリフト市場(バッテリー車とエンジン車の全体)は2011年に23.3万台(昨年比22.6%増)に到達し、アメリカを抜き世界一の市場となっています。ただ、弊社も含めた外資メーカーの市場シェアはまだ15%程度しかなく、低価格を武器にしたローカルメーカーが市場のほとんどを占めています。

ニチユのバッテリーフォークリフト「プラッター」

 中国ではこれまで、エンジン車の利用がほとんどでしたが、最近バッテリー車の利用も増え、全体の20%を占めるようになっています。開発・生産に技術力が必要なバッテリー車は、外資メーカーのシェアが40%を超えており、弊社ニチユも20%の市場シェアがあります。

 中国ローカル企業がフォークリフトを調達する際、エンジン車とバッテリー車に分けて、それぞれ入札で調達先を選びます。入札でニチユと競合するのは、エンジン車をメインに取り扱っている日系他社よりも、欧米系メーカーなどになるケースが多いです。