総務省の間違った対応が問題を炎上させた

 以上のように、一部の野党、メディアそして評論家の主張はかなり無理があり、モリカケ問題の再来のように扱うのはどうかと思うのですが、それでもこの問題が必要以上の大騒ぎになったのは、総務省の側の対応がひどかったからではないかと思います。

 それをご理解いただくため、まず公務員倫理規程における接待の扱いを見ておくと、概要以下の通りとなっています。

・利害関係者から供応接待を受けてはならない(第3条)

・利害関係者に該当しない事業者から、社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待を受けてはならない(第5条)

 さて、「週刊文春」の報道により、東北新社による接待が明るみに出た後、総務省は初動で明らかなミスをしています。

 秋本芳徳前情報流通行政局長は当初、国会で「東北新社側の出席者が利害関係者と知らなかった」「会食で東北新社の事業は話題に出なかった」と答弁し、第3条の規定に違反する意図はなかったという入り口論の部分で防衛線を引いたと類推できます。

 しかし、1点目の主張は詭弁に過ぎません。そもそも会えば必ず名刺交換しているはずなので、名刺を見れば利害関係者であることはすぐに分かります。さらに言えば、通信・放送は市場規模こそ大きいものの狭い世界ですから、旧郵政省出身で現在幹部である秋本前局長が知らなかったというのも無理があります。

 かつ2点目の主張も、事業者の側は自分の話を聞いてほしくて会食をするのですから、屁理屈にもなっていません。ついでに言えば、すべての会食が個室で行われ絶対に第三者に聞かれていないと自信がなければ、言うべきではありません。実際、「週刊文春」が公開した録音の音声で即座に否定されました。

 つまり、本来は総務省の側がすぐに非を認めてさっさと関係者を処分すれば良かったのに、初動時点で明らかに無理なラインに防衛線を引いた結果、「週刊文春」の追撃や野党の追及により大騒ぎになったと言えます。総務省の危機管理能力のなさが騒ぎを拡大したのです。