OnePlus Nord N10 5G

 ハイエンドスマートフォン専業メーカーであるOnePlusが海外で販売している「OnePlus Nord N10 5G」は、ミドルハイクラスのチップセットを搭載した製品だ。チップセットはクアルコムのSnapdragon 690を世界で初搭載、クワッドカメラは最高画質6400万画素とカメラ性能も悪くない。なお、OnePlusは各国でオンラインストアを展開しており、グローバル向けには大手ECサイトなどにオフィシャルストアを開設。今回はAliexpressにあるOnePlusの公式ストアから製品を入手した。

日本円で3万円以下! 「あの」OnePlusのスマートフォン
その実力を試した

 OnePlus Nord N10 5Gは、本体サイズが約74.7×163×9mm、重さは190g。ディスプレーは6.49型(2400x1080ドット)を搭載する。ディスプレーはフラットタイプで左上のパンチホールに1600万画素のフロントカメラを搭載、表面はゴリラガラス3で覆われている。ディスプレーの材質は有機ELではなくIPS液晶であり、そのため指紋認証センサーはディスプレー埋込ではなく背面に搭載されている。

6.49型ディスプレーを搭載する

 背面は中央にOnePlusのロゴマークが入り、下部に「ONEPLUS」の名前も刻まれている。OnePlusのブランドを好む人にはたまらないデザインだろう。背面は光沢があるが樹脂仕上げで、指紋の跡は残りやすいタイプだ。カメラは左上に長方形の台座を配置し4つを搭載。カメラ周りには画素数などの記載はなく、すっきりした仕上げになっている。そして背面中央上部にあるのが指紋認証センサーだ。

OnePlusロゴが目立つ背面

 本体右側面は電源ボタンのみが搭載されている。電源OFFはこの電源ボタンと、左側にある音量調整ボタンの「上」ボタンを同時に押すという操作になる。電源ボタンの長押しでGoogleアシスタントが起動するようにプリセットされているため、このような操作になっている。

電源ボタンのみのシンプルな右側面

 本体左側面には音量調整ボタンとSIMスロットを備える。OnePlusのスマートフォンは側面にAlert Sliderと呼ぶワンタッチでマナーモードを切り替えるスライドスイッチを搭載しているが、このOnePlus Nord N10 5Gは非搭載。このあたりはコストを下げるために廃止されたのだろう。本体下部はUSB Type-C端子と3.5mmヘッドフォン端子を備える。

側面にAlert Sliderは非搭載。本体下部にヘッドフォン端子を備えている

 200gを切る重量は片手で持っても重いとは感じられない。握ったままでの指紋認証の速度はかなり速く、ディスプレー埋め込み型よりエラーが起きる確率も少ないと感じる。音量ボタンが左側にあるが、右手で持っていて「親指で(右側面の)電源ボタン、薬指で(左側面の)音量ボタン」をちょうど操作しやすくなっている。OSはAndroid 10をベースにした独自UI「Oxygen OS 10」を搭載するが、同OSの機能の一つである「画面をダブルタップしてスクリーンをOFFにする」機能はちょっと便利だと感じた。

片手で楽に持てる大きさ。Andorid標準+OnePlusの数個のプリインストールアプリ

 Oxygen OSは中国メーカー各社の独自UIと比べても、使いやすいという評判をよく聞く。たとえばホーム画面から下にスワイプすると表示できる「Shelf」機能はクイックメモを書いたりツールを即座に起動する(アプリの登録も可能)といった、ステーショナリーのようによく使う日常的な機能をすぐに呼び出すことができる。

Shelfはツールの引き出し。即座にメモを書いたりタイマーを呼び出せる

 また設定画面では通知バーの表示を自在にカスタマイズ可能で、時計を病魔で表示したり、Wi-Fiやデータ通信といった通常表示されるアイコンすべてのON/OFFも可能だ。さらにはアプリごとに起動パスワードをかけられるので、他人にアプリを勝手に操作されてしまう恐れも少ない。新機能はベータバージョンがOnePlus研究所から利用可能だ。OnePlusのハイエンドモデルが備えるこれらの機能を、OnePlus Nord N10 5Gでも利用できるのだ。

時計を秒表示したりアイコンを全部非表示にすることも可能
アプリロックも掛けられる。OnePlus研究所で新機能を試す。機種変更時のデータ移行はQRコードで簡単にできる

 今回テストしたモデルはメモリー6GB+ストレージ128GBモデルのグローバルバージョン。端末の情報画面から5Gの接続状況が確認でき、5G NR接続時は「NR」と表示される。ミドルハイレンジ端末としてそのほかに目立った機能はディスプレーのリフレッシュレートが90Hzに対応しており、60Hzと切り替えできる。

端末の詳細情報。5G NRの接続状況が確認できる。リフレッシュレートは90Hzに対応

 さて、最も気になるのはSnapdragon 690のパフォーマンスだろう。AnTuTuのスコアは283535、Geekbench 5のスコアはシングルコア608、マルチコア1859。Snapdragon 765Gより若干下回るというデータか。また、香港の5G NR回線でスピードテストをしたところ、下り600Mbps前後。比較としてSnapdragon 888搭載のGalaxy S21 Ultraでも測定したがほぼ同速度であったことから、モデム性能も悪くないことがわかる。

AnTuTuは283535、Geekbench 5はシングル608。5G NRで約600Mbps前後を記録

4眼カメラはマクロとモノクロという珍しい構成

 それでは次にカメラ性能を見ていこう。カメラは6400万画素、800万画素・超広角、200万画素・マクロ、200万画素のポートレート用モノクロを搭載する。2万円台の5Gスマートフォンで高画質側は4800万画素より1つ上の性能、しっかりマクロも搭載し、ボケの効いた写真も撮れるということだ。なお日本で発売される「Redmi Note 9T」はこのOnePlus Nord N10 5Gより価格は安いものの、カメラは3つ。超広角がなく、6400万画素カメラも搭載しない。Redmi Note 9Tにちょっとお金を足せばOnePlus Nord N10 5Gが買えるというわけだ。そう考えると日本でぜひ発売してほしいと思ってしまう。

4つのカメラを搭載する

 カメラのUIはモードの切り替えが「コマ送り」「パノラマ」「スローモーション」「ビデオ」「写真」「ポートレート」「夜景」「プロ」と多い。その代わりほかのメーカーのスマートフォンによくある「その他」はない。また、メインカメラはデフォルトでは1600万画素撮影となり、6400万画素で撮影をするには画面上にある「64M」をタップして切り替える。マクロの切り替えもその横にある花アイコンをタップだ。倍率切り替えは写真モードでは「0.6倍」「1倍」「2倍」の切り替えがワンタッチで可能であり、デジタルでは10倍までズームできる。ビデオは8倍ズームにまで対応する。

1600万画素、6400万画素、マクロの切り替え
カメラ倍率切り替えや、その他のカメラモード

 カメラを使って便利だと感じたのが、写真モードでもシャッターボタンを長押しするとそのままビデオ撮影ができること。静止画と動画を切り替えず、シームレスに撮影できる。また撮影直後、シャッターボタン横に表示されるプレビューアイコンを長押しすると、そのままSNSなどにシェアできる。これらもOxygen OSの機能であり、カメラの使い勝手もほかのスマートフォンよりいいと感じられる。OnePlusファンが多い理由が、この辺りからもわかるような気がした。

プレビューの丸いアイコンを長押しするとすぐにシェアできる

 実際に筆者の居住する香港の街中でいくつか写真を撮ってみた。

0.6倍(超広角)撮影
標準撮影
標準で6400万画素撮影
2倍撮影
10倍撮影
室内で標準撮影
室内でポートレート撮影
マクロ撮影
夜景撮影
同じ夜景を標準モードで撮影

 さて、OnePlusはスマートフォンだけではなくケースやヘッドフォンなども販売されている。左右分離型イヤホン「OnePlus Buds Z」は1万円を切る低価格が魅力だ。本体はAirPodsのような形状で、専用ケースは楕円形の小型サイズ。本体のバッテリーは40mAhで5時間の音楽再生、3時間の通話が可能だ。ケース(450mAh)に入れて10分の充電で3時間の再生が可能だという。

OnePlus Buds Z
楕円形状のケースに入れて充電する

 ヘッドフォンの重量は4.35g、ケースの重量は40gとAirPodsとあまり変わらない。Bluetooth 5.0に対応し、利用できる距離は最大10m。防水はIP55に対応する。価格からわかるように音質にこだわった製品と言うよりも、Nordシリーズのスマートフォンと同時に買って、手軽に使うワイヤレスヘッドフォンという立ち位置だ。

価格の安さが魅力。OnePlus Nord N10 5Gと一緒に買いたい

 OnePlusはハイエンドモデルを中心に展開してきたこともあり、高スペックなスマートフォンを求めるアメリカやヨーロッパのユーザーにも大きな人気だ。アメリカで5G端末をいち早く発売するなど、最新モデルを投入するタイミングは大手メーカーと変わらない。とはいえ、まだまだOnePlusを知る人は少ない。今回紹介したOnePlus Nord N10 5GはOnePlusのブランドをより広いユーザーに知ってもらうための戦略的な製品と言えるだろう。

 日本の通信キャリアも5Gスマートフォンのラインナップを積極的に増やそうとしている。ぜひOnePlusにはハイエンドモデルだけではなく、このOnePlus Nord N10 5Gのように手軽に買える5Gモデルを日本に投入してほしい。

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