実際、総務省の有識者会議「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ」の2018年の報告書で、右旋帯域利用枠について「公募するか、新規参入が適当」とあったものが、20年の報告書案では東北新社など既存事業者の要望である「4K事業者に割り当てるべき」に変更されている。これが接待攻勢によるものではないかという疑惑は、2月25日の衆院予算委員会で日本共産党の藤野保史議員も追及した。しかし、モリカケで不確定な情報であれほど大騒ぎをしたマスコミは、なぜか今回は「静観」している。

接待の「数」と「時期」を見れば
モリカケ問題よりよほど闇が深い

 また、それに加えてモリカケよりも「闇」の深さを感じるのは、行われた接待の数と時期だ。総務省幹部ら13人の接待は、2016年7月から20年12月にかけて、のべ39件。「今回はうちが出すんで」とか「うっかり割り勘にし忘れた」とかいうようなものではなく、「奢る」「奢られる」の関係がビタッと定着していたことがうかがえる。

 しかも、モリカケ問題で財務省の佐川宣寿氏が国会で吊るし上げられたおよそ半年後には、菅首相の長男らから総務省総合通信基盤局長(当時)が、飲食単価2万4292円の接待を受けている。マスコミが連日のように「首相の家族・友人に忖度する官僚」を批判していたことが、総務省幹部にも菅首相の長男にもまったく響いていなかったのだ。

 さらに、彼らの常習性・悪質性を示すのが「虚偽答弁」だ。ご存知のように、文春砲にスッパ抜かれた際、総務官僚たちは「放送事業に関する話はしていない」と国会で言い張って、金だけ返してシャンシャンと幕引きを図ろうとした。しかし、その嘘に対して「待ってました」と言わんばかりに文春が音声データを明るみに出し、引導を渡されてしまったのである。

 そんな見え見えの嘘をつく人たちが、どんなに「許認可に影響はない」と言い張っても、信用できるわけがないではないか。

 しかし、どういうわけかテレビや新聞は、このあたりのことにまったく突っ込まない。モリカケ問題のときのように鼻息荒く、「そんな滅茶苦茶な話を信用できませんよ!」と怒っているコメンテーターはほとんどいないし、モリカケ問題のときのように巨大パネルをつくって、総務官僚たちの経歴や素顔を詳細に説明し、菅ファミリーとの親密度を検証したりもしない。