「孫子の兵法」は、欧米のビジネス・スクールでも「戦略書の原典・原点」として取り上げられる、ビジネスパーソン必読の実益書だ。東洋思想研究者・田口佳史氏の著書『超訳 孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール』からの抜粋で、現代のビジネスシーンに当てはめ孫子の教えを超訳した、「ビジネスで勝つ」テクニックをお届けする。
負ける理由は必ず「自分」にある
負ける理由は大別して6つある。総じて言えるのは、自分で自分をコントロールできていないことだ。
会社が悪い、社会が悪い、上司が悪い、部下が悪い、家族が悪い、友人が悪い……思い通りにいかないと、すぐに他者のせいにする人が少なくありません。
本当にそうでしょうか。孫子はここで敗北を招く理由を6つ挙げています。具体的には、兵士のなかに「走る者」「弛む者」「陥る者」「崩れる者」「乱れる者」「逃げる者」がいると負けると言い、そういう兵士が出るのは将軍の過失だとしています。
その将軍と兵士を「内なる二人の自分」、つまり司令官たる自分と行動する自分に置き換えると、ここがまたおもしろい。孫子が「負ける理由はすべて自分にあるんですよ」と言っているように思えます。
これら6つの負ける理由を一つひとつ、見ていきましょう。