どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化した『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が2月17日に発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、普遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人、必読です。
営業マンからの勧誘で、
ワンルームマンションを危うく買いそうに
仕事中に、職場に見知らぬ番号から次のような電話がかかってきたことはないだろうか。
「現在、企業にお勤めの方に節税対策のためのご提案をさせていただいております○○のものです。今回は節税対策のためにワンルームマンション投資のご案内をさせていただいております……」
このような営業電話を受け取った方は、多いことと思う。
僕もそのひとりだったし、実際に社会人3年目の頃、会社のお昼休みに抜け出してその営業マンと面談をし、ワンルームマンションを危うく買いそうになったことがあった。
あるいは、結婚を機に建て売り戸建ての住宅展示場にパートナーと一緒に行く。とんとん拍子に住宅ローンを組まされ、住宅を購入し、ローン完済のために勤め人を続けている方も多いだろう。
ではなぜ、最も大切な不動産投資で成功し、生き残るためのスキルが「Do Your Homework!!(自分の宿題をする)」なのか?
答えは非常にシンプルだ。
世の中に不動産や建物を買わせたい人は山ほどいるが、その中で本当に投資してよいと判断できるものは、誰も教えてくれないからだ。
そんなの当たり前だ。もし僕が自身で本当に投資をしてよいと思った物件を、あなたにタダで教えるだろうか?
少し前に話題となった地方銀行とタッグを組んだ不動産販売業者が、あなたが組めるローンの限度額を教えてくれて、かつ本当は教えたくない素晴らしい投資物件を教えてくれるだろうか? もちろん運がよければ、利回りの高い物件に数件目で出合うこともあるかもしれない。
しかし、その先で果たして物件の瑕疵(かし)は見つけられるだろうか? 有利な条件での融資は引けるだろうか? はたまた、管理や修繕を適切に行えるだろうか?
Homework(宿題)をしっかりとできる大家は、他人が持ち込んできた物件や巷に溢れかえる情報に振り回されることはなく、自らの眼力でいい物件かどうかを判断できる。そうなるための一番の近道は自身の宿題を淡々とこなし、投資に必要な判断材料を自分の頭と足でかき集めることだ。