3月5日、全国人民代表大会(通称「全人代」)が開幕した。
昨年は、新型コロナウイルスの影響で、開催が2カ月遅延し、かつ地方における人民代表のほとんどはテレビ会議からの参加という形式を取った。例年の延べ30億人の約半分程度とはいえ、約15億人が「民族大移動」した春節(今年は2月12日)期間のコロナ感染リスクを乗り越え、3月初旬に予定通り開催にこぎつけた政治的意義は、中国共産党にとって小さくなかったであろう。
中共中央弁公庁事務局のスタッフで、全人代の開催にも直接関わった知人は次のようにその意義を語った。
「世界が依然として新型コロナの蔓延に見舞われているなか、全人代を予定通りに開催することは、中国がコロナ抑制と経済再生にある程度成功してきていて、それを今年も堅持する意思があることを内外に知らしめる意味があった」
約3000人の人民代表が全国から北京の人民大会堂に集結し、マスクを着用して出席した。期間は例年よりも短く1週間に設定され、厳格なコロナ対策の下で、全人代期間中の各種イベントが、現在も行われている。