検査費用が高額な
日本のNIPT

 ではこのNIPTは海外ではどうなのか。イギリスと比較してみましょう。イギリスでは全ての妊婦に出生前診断の説明が義務付けられており、出生前診断を受ける人は妊婦全員のうち88%です。さらに、そこで高リスク反応が出た方については、公費でNIPT検査を受検できます。

 一方、国内では3%にとどまり、全て自由診療です。さらに、そもそも知られていない検査なのが大きな違いです。日本の医学会の中でも、先にも述べた「倫理的な問題」として意見が割れている状況になっています。

 晩婚化による少子化が進み、不妊治療で我が子を授かりたいと必死になっている夫婦の苦労を、菅政権はくみ取り、不妊治療に対する補助をする方向にかじを切りました。私たち現役世代からするとこのような取り組みは非常に助かりますし、喜びの声をよく耳にします。

 NIPTも同様で、多くの人に喜ばれる検査ですし、私個人としては、保険適用にすべきだと考えています。

 先日、NIPTの検査をしている事業者の方からヒアリングをしました。自由診療で1回当たりの検査費用は約18万円と高額にもかかわらず、全国から問い合わせが来るそうです。それも、検査をしている病院、クリニックが少ないため、他県から来る人も少なくないとのことです。

 そして、意外だったのは、検査を決断したのが、妊娠中の妻や夫ではなく、そのご両親であるケースが多いそうなのです。祖父母である自分たちならまだしも、娘夫婦には子育ての苦労をさせたくないという親心が働くそうです。また、検査をしたご夫婦などから事業者へ手紙が送られてくるそうで、匿名の形式にして拝読しましたが、文面からも感謝があふれて伝わってきました。

 NIPTの検査をするかどうかは、当事者たちが決めるべきことですが、少なくともNIPTという選択肢があることを、多くの人に知ってもらうべきだと思います。